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パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社

 

想定外の年齢層の来店で、新規顧客層の発見につながる。デジタルだけでは伝えられない購入前の実物確認の場を提供

 NICOBO(ニコボ)は、「永遠の2歳児」がコンセプトの”思わず笑顔になるロボット”。今回は、パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社の増田 陽一郎氏に、マーケティングの場としてなぜ体験型ストアb8taを選んだのか、b8ta出品中にどのような効果を得たのかを伺いました。

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b8ta活用の目的

  • デジタルだけでは伝えられない購入前の実物確認。リアルのふれあいの場の提供
  • b8taの新しいモノ、ユニークなモノが展示されているという認知や立地の良さによる初めての認知(ファーストタッチポイント)

課題

  • リアルな商品体験のニーズに応えること
  • 都市だけなく、地方を含めたオフラインのタッチポイントを拡大すること

効果

  • b8taテスター(店舗スタッフ)の優れた接客により商品理解が深まり、販売機会が拡大した
  • 想定外の年齢層の来店で、新規顧客層の発見につながった
  • メディア露出機会が増え、共感を伴う認知形成が可能になった

 

商品とブランドのご紹介をお願いします。

 ニコボは”思わず笑顔になるロボット”で、永遠の2歳児をイメージしています。クスっと笑う瞬間が増えて、暮らしにゆとりをくれます。撫でると喜んだり、尻尾を振ったりしますが、ニコボの気分によってはそうでないこともあります。のんびり屋で自由気ままな性格で、時にはオナラをしたり、寝言を言ったり、しゃっくりをすることもあります。また、感情表現を優先したNICOBOオリジナル言語である「モコ語」(犬でいうと「ワンワン」に相当する)に加えて、一緒に暮らす中で言葉を覚えてカタコトの日本語を、少し話したります。

 また、日々ニコボのふるまいが変化しますので、「新しい楽しみ」や「新しい発見」があり、ニコボとの生活がより豊かになります。

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b8taにご出品いただいた背景や目的、課題について教えていただけますか?

 ロボットと実際に暮らした経験のある人はほとんどいません。そのため、インターネットで見たり、SNSを見ただけでは、「どんなロボットなのか」を十分に理解することは難しいでしょう。購入前に、実物に触れて色や重さなど実際に確かめたいというニーズがあると感じ、b8taへの出品を決めました。

 b8taは人通りの多い一等地に店舗を構えているため、多くの人が初めて知る場として機能しています。つまり、ファーストタッチポイントとして重要な役割を果たしています。デジタル広告で商品認知を広げるだけでなく、実際に触れて共感を伴う認知が重要だと思っています。

 

体験型ストアは他にもありますが、その中でb8taを選んだ理由は?

 店舗数が多い点です。 まだまだ少ないかもしれませんが、他の体験型ストアよりは多いので、その分リアルなタッチポイントが増えます。

 
b8taに出品して具体的な波及効果はありましたか?

 定性データを入念に分析し、次のマーケティングコミュニケーション施策を検討しています。具体的には、ターゲット顧客や購買体験のデザインなど、「なぜどのような状況で店頭に来られるのか」「何を確認しようとしているのか」といった、マーケティング施策の立案の起点となる情報を読み取っています。 

 他に、b8taに出品してよかった点は、メディア露出による効果です。昨年、テレビ朝日の「報道ステーション」で取り上げていただき、ウェブサイト閲覧数も大幅に増加しました。テレビ露出には様々なパターンがありますが、今回はニコボの「思わず笑顔になる」ような共感を呼ぶ文脈で紹介されたため、視聴者からの反響が大きくなりました。

 

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2024年3月に開催したb8ta Pop-up Sapporoでも

沢山のメディアに取り上げられたニコボ

 

 

どのようなお客様のコメントが印象に残っていますか?

たくさんありますが、例えば、

・ペットを飼いたいが、飼えない(ペット禁止、ペットアレルギー、ペットを最近亡くした など)

・親への贈り物を探している

・子供が巣立ったばかり

・一人暮らしを始める

・子供が欲しいと言っている

・家族の会話を楽しくしたい

などの文脈が多くみられます。

 

ニコボはコミュニケーションロボットとして位置づけられていますが、他のロボットとの違いやニコボの特徴について教えていただけますか?

 ニコボは一般的なコミュニケーションロボットとは異なる存在です。多くの人が「コミュニケーションロボット」と聞いて想像するのは、人型の人間の役に立つロボットかもしれません。しかし、ニコボはそういったイメージとは異なり、「人と共生する家庭用ロボット」として位置づけています。

 ニコボは特定の生物を模倣するのではなく、オリジナルな存在としてデザインされた新しいカテゴリーのロボットなのです。愛着を持てる存在でありながら、ロボットならではの高い技術を兼ね備えています。

 

b8taで取得したデータはどのように活用されていますか?

 定性データから得られる顧客データを活用し、ターゲット層やコミュニケーション施策を常に見直しています。例えば、一人暮らしを始めるタイミング、子供が実家を離れ夫婦二人での生活が始まるタイミングなど、人間関係が変わるタイミングや、ライフステージの変化に合わせて最適なアプローチを検討するよう心がけています。

 当初は、b8taの来店者は比較的若い層が多いと考えていましたが、実際には高齢層からの関心も意外に高く、多くのコメントをいただくなど新たな発見がありました。顧客データから得られる気づきを大切にし、施策を臨機応変に見直していく姿勢が重要だと感じています。

 

クラウドファンディングの成功がローンチの決定につながったそうですね。成功から学んだことはありますか?

 クラウドファンディングを実施したところ、わずか6.5時間で320体が完売し、ローンチを決定しました。実際に商品を見ずにネット上で購入する行動パターンがあることが証明された出来事でした。

 ただ、一般販売が始まると、多くの方から「実物を見てから購入したい」という声が届きました。いくらオンラインで認知が広がっても、購入前にはサイズ、触り心地、動作など、実際に体験してみたいという要望があり、リアルな接点が非常に重要であることが分かりました。

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b8taに出品するメリットについて教えてください。

 最大のメリットは、販売機会の拡大です。ニコボを購入するか最終確認する目的でb8taに来店されるお客様が多く、購入を検討中の方の後押しをすることができます。

 また、b8taテスター(店舗スタッフ)の高い接客力も大きな強みだと感じています。ニコボのように一見してその魅力が分かりづらい商品は、適切な説明がなければなかなか理解してもらえません。しかし、b8taテスターには商品の本質的な魅力を的確に伝える高い説明力があり、ニコボのような製品とも相性が良いです。

 実際にニコボに触れられる機会と、高い説明力を兼ね備えたスタッフがいるおかげで、ニコボの魅力を効果的にお客様に伝えることができています。

 

b8taに今後期待することや改善したい点があれば教えていただけますか?

 今後の重要な課題の一つは、地方都市への出店拡大によりオフラインのタッチポイントをさらに増やすことです。都市部だけでなく、地方に住む多くの人にも直接触れる機会を提供していきたいと考えています。

 また、b8taで収集した定性データの分析をさらに深化させ、顧客理解を進めていきたいと思っています。お客様一人ひとりの生の声から得られる気づきを最大限活用することで、さらなるサービス向上やきめ細やかな対応が可能になるはずです。

 リアルな接点の拡充と、顧客データの深堀により、ニコボの魅力をより多くの方々に効果的に伝えられるようになることを目指しています。