長野県の魅力を再発見。印象度調査で見えたものとは
2022年10月1日(土)から10月31日(月)まで、長野県内各地の事業者が、b8ta Tokyo - Yurakuchoにそれぞれの地域の特色を活かした贅沢な味わいや丁寧な手仕事による逸品を出品しました。
今回は、取り組みを主導した長野県庁 産業労働部所属の島津豊氏に、b8ta出品の背景や成果等をお伺いしました。
b8ta活用の目的
課題
効果
[お話を伺った方]
長野県産業労働部 営業局 島津豊氏
長野県庁の産業労働部に所属し、営業局のメディアブランド発信担当をしております。主な業務は、長野県のブランド力向上に関わる活動です。具体的には、銀座にある長野県のアンテナショップの運営や、SNSを活用した情報発信などです。
現在、最も力を入れている取り組みは、EC事業者の支援とキャンペーン活動です。認知が広い定番商品は「メディアやSNSで見たことがある」「過去に購入したことがある」などのきっかけがあるため、オンラインでも購買に至りやすいのですが、なかなか実際にみてみないと魅力が伝わりにくい商品もあります。そこで、実際に商品を手に取ってもらい、体験していただくことで購買意欲を高める取り組みを行っています。
体験型に特化した店舗であり、新しくて斬新なアイデアに惹かれたからです。東京出張の際に他の体験型の店舗も視察に行きましたが、接客や商品説明をきめ細かく行い、満足度を高めることに重点を置いているb8taテスター(店舗スタッフ)の対応が一番魅力的だと感じました。
事業者が実際にb8taに来店して体験イベントや実演を行ったところ、新しいものに対して関心が高く、積極的に質問をしてくれる質の高いお客様が多数来場したそうです。このように熱心な方々が集まる貴重な機会を、県の支援によって提供することができ、大変良い展開の場となりました。
事業者単独でこうした機会を設けるのは難しいため、県の後押しがあったことで、今後の事業発展につながる可能性を感じている様子でした。
b8ta担当者のおかげで、複数ブランドの出品までの流れについて手を煩わせることなく進めることができました。
一方で、改善点としては、長野県主催だったため、出品料を事業者にほとんど請求しませんでした。一定の負担を求めた方が、出品に向けて真剣度が高まり、より熱意を持って取り組んでもらえたのではないかとは思っています。
長野県デザイン振興協会と県が開催している「信州ブランドアワード」という優れた県産品を表彰する取り組みがあり、そこにエントリーされた事業者に重点的にご案内しました。「いかに自分の商品やブランド価値を高めるか」「機能性やデザイン性はどうするか」「単純に売るだけでなく、どうすれば多くの方に知ってもらえるか」等を考えている意識の高い方々にアプローチをしたので、好意的なお返事をいただきました。
「こういう層には人気があった」「こういう層にはあまり振るわなかった」といったような、b8taテスターからみたライトなフィードバックをいただけるとありがたいです。現場に足を運ぶことが難しい事業者にも肌感覚が伝わるかなと思いました。また、商品説明の際の反応など、「こう説明すると伝わりやすい」「この部分が体験に繋がりにくかった」「ここが面白くてみんな体験していた」といった現場の生の声を共有いただけると、大変参考になります。
「長野県といえば何を思い浮かべるか」という設問では、県内外ともに9割以上の方々が「自然・景観の美しさ」を挙げていて、これは想像以上の割合でした。アンケート結果から県内・県外の方々の長野県へのイメージへのギャップが明らかになったのですが、特徴的だったのが「食べ物・料理」と「田舎・農業」の項目です。県内では、「田舎・農業」のイメージが6割強と高かったのに対し、県外の方は2割強と非常に大きなギャップがありました。一方で「食べ物・料理」のイメージは、県内では4割弱でしたが、県外からは6割五分という高い評価となりました。推察になりますが、地元の方々が、長野県は農村が田舎と謙遜しているけれど、都会の人々にとっては、そういった長閑な環境が豊かな食を生み出していると感じているのではないかと思います。現在、長野県のブランド戦略の見直しを行っていますが、こういったデータを活用しながら、県民にとって自負できる、県外の方々が共感できるそんなブランド価値を定義できればと考えています。