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By b8ta Japan on 9月 16, 2021

I-PEX - noseStick

世にない商品を作り出すため、開発中の商品を見て触ってもらう。ユーザーの声で製品を改良

「noseStick」は、スマホに挿して気軽に匂いを識別する「ニオイセンサ」。まだ発売前ではあるものの、メディアにも取り上げられ多くの反響を呼んでいる。開発したI-PEXはかねてより法人向けにニオイセンサを開発しており、幅広い業種・業界から数多くの反響が寄せられていた。

その法人向けに展開していたニオイセンサを小型化し、誰もが手軽にニオイを計測できるようにしたモデルが「noseStick」だ。呼気や体臭によるヒトやペットの体調管理をはじめ、赤ちゃんのオムツ交換の確認や、料理のアレルギーチェックなど、日常のあらゆるシーンでの活用が想定されている。

しかし、会社として初めての一般消費者向けの商品を開発するには、これまで培ってきた法人向けビジネスのノウハウが通用しない。ユーザーのニーズや、購入しやすい価格帯などをゼロから調査しなければいけなかった。

その解決策として選んだのがb8ta。ユーザーの生の声を集めるために、現在は新宿に出品している。今回はnoseStickの開発に携わるI-PEXの佐藤彩子氏に、b8taに出品した経緯から活用法まで話を伺った。

I-PEX株式会社 技術開発統括部 電子デバイス開発部 SPG 佐藤彩子氏

初めてのユーザー向けビジネス。「実物に触れられる場」でユーザーの生の声を集める

I-PEXが初めてb8taに出品したのは福岡のポップアップショップだった。I-PEXの本社は京都にあるものの、3つもの工場を福岡に擁し、最も多くの従業員が働くのも福岡。noseStick初期のアプリを開発した凸版印刷のb8ta Tokyo – Yurakuchoでの展示が好評だったため、福岡ポップアップショップでの継続出品をb8taから提案され、すんなりと首を縦に振ったと言う。
 
noseStickは以前から法人向けの展示会には出展していたものの、参加して手に取るのは法人の担当者のみ。初めて消費者向けのビジネスを展開するI-PEXにとって、一般ユーザーが製品を触ってどのように感じるのか、生の声を集めるのは大きな課題だった。そのため、実際に商品を試してもらい、感想をもらえるb8taへの出品に活路を見出したのだ。

"b8taは担当者のフォローが厚く、ストアスタッフの教育も行き届いており、フィードバックも細かく丁寧だったので、初めての出品にも関わらず不安なく進められました"

初めての出品に手応えを感じ、本格的に新宿にも出品することに。ポップアップショップの途中で新しいアプリに切り替えたため、継続してユーザーの反応を見るためでもあった。加えて、地方の企業が東京に進出するのを後押しするキャンペーンが開催されていたことも理由の一つだったと言う。
 

より多くの人に商品を触ってもらうため、展示方法の改善も続ける

佐藤氏がb8taに出品して驚いたのは、そのデータの細かさ。来場者数はもちろんnoseStickのブースに立ち止まった人、デモをした人、そしてそれらをお店の平均と比べて多いのか少ないのか。数字だけでは見えない情報も、スタッフからの丁寧なフィードバックのおかげで、ユーザーの反応がよく分かる。

"b8taのストアスタッフの方たちは、弊社のスタッフよりもユーザーに丁寧にヒアリングしてくれるので大変助かっています。どういうきっかけでnoseStickを知ったのか、どんな機能を求めているのかユーザーの声を細かく聞いてくれるので。出品企業だけが見られるダッシュボードで、それらの情報が共有されるので開発の参考に使わせてもらっています。"

展示方法もb8taの担当者と共にブラッシュアップを繰り返した。これまで法人向けに事業を展開してきたI-PEXの商品紹介動画やカタログは、専門用語のオンパレード。noseStickの初期の説明文も、一般消費者からすれば取っ付きにくい印象があった。

より一般ユーザーに親しみをもってもらうため、b8taからも意見をもらいながら何度も議論を重ねることに。専門用語を中心に文字の多かったパネルから、目を引くビジュアルを意識したことにより、立ち止まる客も増えた。データを見ながら常に改善案を提示してくれるb8taに、佐藤氏は心強さを感じているようだ。
 

ユーザーの声により測定時間を短縮。より使いやすい製品に改良

b8taで商品を触れた方からの声が、実際に商品への改善にも繋がった。現在b8taでは、アルコール消毒の前後にnoseStickでニオイを検知してもらい、その変化を実感してもらっている。

2回の測定で来店者が不満を感じたのは「測定時間の長さ」。様々な商品を試したい来店者にとって、測定で待たされるのは不本意だろう。ユーザーの声を聞いたI-PEXは、すぐさま測定時間を短縮するよう改良を加えた。

今後も改良を重ねていく予定だが、ユーザーからの声がなければ見落としていたポイントであることは違いない。実際にユーザーに使ってもらったから発見できた改良ポイントだ。
 

メディアへの露出、法人からの問い合わせが増加。新しいビジネスチャンスへと繋がる 

b8taに出品して得たものはユーザーからのデータだけではない。出品を機にWBSやnews zeroといったテレビ番組のほか、ネットニュースからの取材依頼が増えた。b8taの来店客の中にも「テレビでnoseStickを見て来ました」という方も少なくないようだ。
 
加えて増えたのが法人からの問い合わせ。会社のホームページには法人向けのニオイセンサ「nose@MEMS」しか掲載していないものの「noseStickに興味があります」という企業からの問い合わせが連日あとを立たない。メディアに取り上げられた月は、ホームページからの資料DL数が普段の1.8倍にも増えたと言う。

"多くの企業にnoseStick、ひいてはニオイセンサの市場にビジネスチャンスを感じてもらえた証拠だと思っています。自社での開発は続けるものの、今後は他社と組みながら新しいシーンでの活用法などを生み出していくつもりです。"

ビジネスにニオイセンサを活用したいという企業は少なくない。危険なガスを検知するような命に関わる課題からベテラン技術者の技術継承、ニオイを使ったマーケティングなど、ビジネスにおける使用用途は多岐に渡る。

予想を上回る企業からの問い合わせに、noseStickをC向けに展開する前に法人向けに展開する計画も立ち上がった。既に法人向けのニオイセンサがあるにも関わらず、多くの企業がnoseStickに興味を示すのはその手軽さ。これまでの法人向けのニオイセンサは180ものセンサを擁していたのに比べ、noseStickのセンサは10程度。

実際に現場で使われる用途は限られているため、10ものセンサがあれば十分な上にコストも抑えられる。業界や要望に応じてどのセンサを取り付けるのか、カスタマイズしながら展開していくつもりだと言う。
 
最後に佐藤氏は今後の展望と、b8taを勧めたい企業について語ってくれた。

"いずれはニオイセンサを、スマホのように一人一台持つような社会を作っていきたいと思っています。もちろん、私たちの商品が最も売れているスタンダード商品としてです。

b8taはそのためのマーケティングの柱であり、ユーザーとの架け橋だと思っています。現在もユーザーの声を聞くために使わせてもらっていますが、商品が完成し発売してからもb8taのデータを商品の改善に活用していくつもりです。

私たちと同じようにまだ発売前の製品を開発している企業には、ぜひb8taを活用してみてください。ユーザーの生の声を活かしながら製品が作れる他、クラウドファンディングとの相性もよく戦略の幅も広がります。私たちのように、初めて消費者向けの商品にチャレンジする企業は特に得られるものが多いのではないでしょうか。"
 

【b8ta活用でのビジネスへの波及効果まとめ】

  • ユーザーからの声を反映して製品を改良
  • データで裏打ちされた消費者向けビジネスの知見を得られた
  • 2つのテレビ番組のほか、ニュースサイトなどから取材を受ける
  • 企業からの問い合わせが増え、新しいビジネスチャンスが見つかる

Published by b8ta Japan 9月 16, 2021